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セレッソ大阪&Liverpool応援ブログ

【セレッソ大阪】'22年シーズンレビュー

今シーズンはW杯のため、少し早めのシーズンオフです。

今日はそんな今シーズンを振り返ってみようと思います。

 

昨シーズンは途中交代からだった小菊監督の1stシーズンです。

 

まず監督として資質から。

就任当初から兄貴的存在、ファミリーと言う言葉が多く

聞こえてきましたが、監督としての資質とは別物です。

やはり、監督=マネージャーは選手と同じ目線ではダメだし、

選手とは一線を画しておかねばなりません。

別にそれはフォットボールに限らず、社会の常識であり、

マネージャーに関する本が山ほど書店に並び、

どれも同じような事が書いてあります。

マネージャーがプレイヤーと一線を画して、

自分の役割を理解している組織は強いがどれも同じです。

セレッソに話を戻した時、監督が兄貴、ファミリーでは

強い組織は作れないので心配しかありませんでした。

しかし、そんな小菊監督がその一線を明確に示した

事件が乾の事件だったと思います。

この事件は組織の上下を明確に示した点でも

後に述べる戦術面でも大きな事件だったと思います。

御存知の反乱劇から一度もピッチに戻ることなく退団となった。

ここで安易に戻さなかった采配は小菊監督を私は初めて

監督として認識することになったと言っても過言ではありません。

セレッソでもレジェンド的存在であり、

今回の復帰には多くのリソーセスも掛かり、

かつ、クラブの経営面でも大きな影響がある乾に対して、

特別な選手はいない。監督からすれば選手の一人にすぎない。

このメッセージは監督はマネージャであることを

チーム内に明確にアピールすることになりました。

現にここからレギュラー、サブ隔てなくチームとしての

組織力が1つ上がったような気がします。

すべての選手が平等であり、平等にチャンスがある。

そしてチームのために働かない選手は排除される。

これが健常な組織であり、この事件で組織が強くなった。

そんな大きな出来事であったと思います。

忖度がある組織は滅びますし、仲良しこよしの組織も滅びます。

プロである限り、明確な上下関係と役割があります。

ここの秩序を示せたことは大きな成果でもあったと思います。

ある意味、乾には感謝です。

 

次は戦術面を振り返って行きたいと思います。

昨シーズンは途中交代だったこともあり、

まずはクルピにボロボロにされた守備をロティーナの財産を

使うことで立て直しを図りました。

ティーナの真骨頂でもあるポジションを意識した

位置取りでブロックを作る。

これはロティーナ時代に嫌と言うほど染み込んでいるので

戻すことはそれほど難しい作業ではありませんでした。

なんか体に染みついている感じです。

代わりに攻撃面では縦ポンしか得点のチャンスがなく

ボールを持たされたり、ハイプレスを喰らうと

いわゆる「個」に頼るしかないもどかしさがありました。

今シーズンはそんな攻撃を改めて作り直しです。

ここでも1つの大きな転機がありました。

先の乾とキヨの離脱です。

先の通り、組織で何も出来ない場面でも

「個」でチャンスを創出できる2人の選手がいなくなってしまい、

嫌でも策がないと全く得点できなくなってしまいます。

そんな危機的な状況に小菊監督の戦術眼が一気に開花します。

まずは縦に速い攻撃を構築し始めます。

一言に縦に速いと言っても、相手によって、時間帯によって

戦況が変わる訳であり、同じ攻撃一辺倒では

すぐに行き詰まってしまいます。

そんな中で、小菊監督はいかなる場面でも縦の速さを

意識した攻撃の引き出しが増えて行った気がします。

特に目を引いたのがハイプレスに対するジンヒョンの使い方。

昨今の流行として前からプレスを掛けて一気に仕掛ける

戦術を取るチームが増えています。

(あ!その先駆けは我らがクロップLiverpool!です。)

そんなハイプレスが来るとジンヒョンのロングパス1本で

裏へ抜け出します。その役割が2TOPの時もあれば、

両WGの時もある。ここが面白い。

特に毎熊、為田を長い距離を走らせる策は効果的でした。

2TOPがスッと下がると一気にWGが駆け上がり、

そこへジンヒョンがパスを出す。

この連携はかなりやり込んだ戦術だったように思います。

そして極めつけは後半のパトリッキ。

更にギアを上げて得点シーンを演出します。

 

そしてもちろん、奥埜&徳真のボランチコンビの中盤の

運動量と強さを生かしたハイプレスからの

ショートカウンターも健在。

原川の長期離脱で心配されたボランチも徳真の

飛躍的な成長で穴埋めでき、ボランチが安定している

チームは強いという言葉を証明してくれました。

なので、2TOP、両WG、ボランチのトライアングルで

ボールを奪うシーンは本当に多く見せてもらいました。

 

そして、プレスを余り掛けてこないチームに対しては

ジンヒョンより一つ前のヨニッチに球出しを託します。

この辺りは相手チーム、試合展開によって上手く

使い分けていたように思います。

そして、一番難しいボールを持たされた時は

やはり山中の存在がやはり大きかったです。

現代フットボールでは相手にブロックを作られた

状況ではなかなか打破することは出来ないです。

そんな中、山中はシンプルに早いタイミングで

鋭いクロスをどんどん供給します。

例え、決まらなくとも相手も山中をフリーに出来なくなり、

山中にマークに行くと言うことはブロックが間延びして

綻びが出来やすく、中央も少しスペースが出来てくるので、

そこを見計らって奥埜が飛び出したり、

徳真から楔のパスを入れてたりすることで、

中央からの攻撃もチャンスが生まれて、

攻撃のリズムを作ることに成功していました。

逆に山中不在時にボールを持たされる展開だと

かなり苦しかった感じがするので、ここは課題ですね。

 

また、小菊監督を策士と当ブログでも何度か言ったように、

対戦相手、戦況に合わせた策士ぶりは目を光るものがありました。

なんかヤフコメ辺りで、いつも同じ選手交代=同じ戦術と

書かれているのを見て、ガッカリしましたが(おいおい、全然変わってるやん)、

とにかく戦況に合わせた戦術を変える術は秀でたものを見せていました。

先述の色々なパターンの攻め等が構築できたことで、

相手や戦況に合わせた戦術をセレクトする様は本当に素晴らしかったです。

特に前半が悪くても後半で劇的に変わったこと多くなかったですか?

前半が上手くいかなくても0-0で耐えれば後半何とかなる。

そんな期待を持たせる策士ぶりでした。

 

ということで、ここまで良い話ばかりでしたが、

ここからは課題やマイナス点です。

 

課題はシーズン通して最後まで変わらず、決定力と試合の締め方です。

正直、戦術が開花してからの攻撃だと、何点でも取れそうなくらい

嵌りまくっていました。ただ、とにかくシュートが決まらない。

寛人と陸次樹はGKと1:1になったら、

絶対に外す予感すら漂っていました。

陸次樹はむしろ難しい体制とか意外性のある時の方が

ゴールが決まるイメージです。

両WGの為田、毎熊も素晴らしいランでフリーでエリア内に

侵入するも、まあホームランの連発で。。。。。

恐らく、決定力と言う点で期待したタガートとメンデスは

とにかくケガばかりで、やっとコンディションが整ったと

思えばまたケガの繰り返しで、全く計算にならなかった印象。

タガートなんか豪代表戦に合わせてコンディション上げて、

代表戦終われば、しばらくお休みと言う感じで、

なんか豪代表の調整に使われているみたいでした。

この2人の失敗は強化部の仕事。しっかりと反省して

来シーズンは決定力を期待できる選手の獲得を切に望みます。

特に為田、毎熊、上門、陸次樹、寛人辺りは、

戦術を理解し、チームとしての動きは非常に評価されるのですが、

ディテールの部分で少し劣るんですよね。

ファイナルサードでの少しのパスのズレ。

ここは彼らが来シーズンに向けて改善すべき点。

そして改善できなければ、代わりが来るのも厳しいプロの世界。

ここはディテールに拘って更に成長を期待します。

コンディション不良とは言えタガートは出てくると、

確実に枠を捉えたシュートを放つディテール。

この差を誰か埋めれる選手が出て来て欲しいところです。

 

そして試合の締め方は皆さん共通で抱いている課題であり、

今のセレッソの最大の課題です。

決定力はセレッソに限らず万国共通の課題と言っても良いくらい。

だから決定力の高いストライカーの移籍金は天文学的な

数字になる訳です。だけど、試合の締め方はチームの問題です。

そしてその代償をリーグ杯決勝と言う大舞台で払うことに

なってしまった訳であり、より強調される結果となりました。

残り15分での失点はずっと最下位争いしていましたが、

最終的にはどうなりましたかね?

その最下位争いを演じていた清水さんは降格してしまいましたが、

試合の締め方とはそれくらい重要です。

そして、試合の締め方にとにかく拘ったユンさんが

唯一、セレッソにタイトルをもたらしたことからも

試合を締めれないチームにタイトルは獲得できないと

言っているようなものです。

オフで試合を締める形を構築すること。

とにかく、これは小菊監督の命題中の命題です。

これが出来なければ、正直、タイトルどころか

残留争いに巻き込まれる危険性すらあると思っています。

Jリーグはとにかく力が拮抗したリーグなので、

少しのキッカケで一気に順位が変わるリーグです。

故に、とにかくどうやって試合を締めるのか?

オフシーズンには徹底的に考えてこの答えを

見つけてもらいたいところです。

 

最後に、メリット/デメリットが明確に2分された

2チーム同じ戦力のチーム作り作戦についてです。

8月くらいのブログでこの作戦は連戦続きの夏は強いが、

試合数が週1で涼しくなる秋には勝てなくなるよ。

と書きましたが、まあ私の想定通りになりましたね。

2チーム分同じレベルの戦力を持つセレッソ

W杯の不規則開催もあり、真夏の連戦で強さを発揮しました。

走行距離の多い選手は60分でほとんど交代して、

疲労を最小限に抑え、カップ戦はある程度ローテーションを

しながら戦っても大きな差異なく3冠の可能性を残す躍進ぶりでした。

しかし、秋になると週1試合、気温も落ち着くと、

そりゃ1チームを作り上げたチームの方が強くなるのは

当たり前の話で、むしろ1チームとしての完成度に劣る

セレッソが苦戦するのはもう周知の事実だったと思います。

とは言え、W杯不規則開催を考えると作戦的には

ありだと思うし、なんかJ2で目立った選手を集めて来た

セレッソの補強を考えると、1チームで完成度上げる作業には

なかなか入れない(見極め、成長等々を1年掛けて見る必要あり)

台所事情を考えると、私はこれに関しては”賛成”に

1票を投じておきたいと思います。

 

後、最後に来シーズンには赤鹿さんと広島さんと名古屋さんの

苦手3兄弟の1つでも苦手が払拭出来ますように。。。。。

 

さて、長々とシーズンを振り返りましたが

想定より良かったことが多いシーズンでありながら、

課題も明確に見えたシーズンでもあったと思います。

もし課題を解決できれば、タイトルも狙えるし、

逆に課題を解決出来なければ、降格もあり得ると思います。

さて、来シーズンが小菊監督にとって成果が問われる

シーズンになりそうですね。

また来年も当ブログで見ていきたいと思いますので、

来シーズンもまたよろしくお願いします。

(11月にこのあいさつをするのは違和感ですが。。。。)